日本陸上競技連盟は中長期ビジョンである「JAAF VISION 2017」を策定し、従来のトップアスリートの育成・強化に注力してきたこれまでの取り組みに加え、競技団体としての新たな役割として、すべての人がすべてのステージにおいて陸上競技を楽しめる環境をつくるという「ウェルネス陸上」の理念を新たに掲げました。近年のマラソンブームの影響もあり日本全国には大小合わせて2000~3000大会もあると言われ活況を呈する一方で、相次ぐ事故・トラブルが発生している状況です。本連盟は新たな施策として、「日本陸上競技連盟ロードレース補償制度」を立ち上げ、怪我等の傷害事故のみならず、心肺停止等の重篤な事故に発展し易い疾病事故、万が一訴訟に発展した場合の賠償補償を含めた補償を公認大会・非公認大会問わず提供して参ります。主催者の皆様には是非とも本制度をご利用いただき、当連盟とともに安全安心な環境構築にお取り組みいただきたく存じます。
日本陸上競技連盟は2011年4月から2017年3月までに、日本陸連公認コースで行われた389のフルマラソン大会における医療体制と心肺停止事例に関する調査を行いました。過去6年間で45件、心肺停止事例が発生しており10万人に1.56人の確率で発生しています。事前の安全対策はもちろん、万が一事故が発生した場合の対応も重要です。
出典「マラソンメディスンセミナー2017年抄録集」
写真提供:フォート・キシモト
大会A | 大会B | 大会C | 大会D | JAAF | |
参加者の補償(傷害) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
参加者の補償(疾病) | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
大会関係者、 ボランティアに対する補償 (傷害・疾病) |
× | × | ○ | ○ | ○ |
主催者の過失・ 事故等による責任の補償 (賠償) |
× | × | × | ○ | ○ |
医療行為による賠償責任 | × | × | × | × | ○ |
上記の記載事項は、本連盟にて調査した一事例となります。
特に、心肺停止等の重篤な事故に繋がる疾病事故の補償がされていない大会も多くある状況です。本補償制度は、主催者の過失・事故等による責任の賠償に加え医師の賠償についても補償します。
加入費用 120円 / 1名
(参加者・関係者)
補償対象者
対象となる傷害および疾病
ー ご注意 ー
新型コロナウイルスによる肺炎や結核等、上記①〜③に該当しない疫病を原因とする事故は本制度見舞金補償の対象外となります。
見舞金額
死亡後遺見舞金 | 入院見舞金 (1日あたり) |
通院見舞金 (1日あたり) |
---|---|---|
300万円 | 2,500円 (事故発生日から 180日限度) |
1,000円 (事故発生の日から 180日以内90日限度) |
損害賠償補償金支払の対象
損害賠償補償の事故事例
損害賠償補償金額
NEW
医師賠償補償とは、大会開催時において医療業務を遂行するにあたり、職業上相当な注意を用いなかったことに起因して、患者に身体の障害(死亡も含みます)を与え、医療行為者が法律上の賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金をお支払い致します。
※要確認※ 医師賠償に関する保険は、通常医師個人に対してではなく、医療機関等の施設に対して加入することになっております。ロードレースのような仮設施設でのイベントにおいては、大会開催の都度、救護所等に対して加入する必要があります。本制度を利用しない場合においても、貴大会の保険加入状況を保険代理店等に必ずご確認ください。
補償対象者
医師賠償補償金額
下記補償制度事務局までご連絡ください。
①補償対象者の故意、犯罪行為等
②地震、もしくは噴火または津波等の自然災害
③医学的他覚所見のない症状
(詳細については、補償制度事務局までお問い合わせいただくか加入者証同封の日本陸上競技連盟ロードレース補償制度見舞金実施要綱をご確認ください。)