お笑いコンビ「アンジャッシュ」という大きな看板とは別に、最近の渡部建さんはスタイルのいいグルメリポーターというイメージを確立しつつあります。グルメブログ「わたべ歩き」も大人気で、30代に始めた食べ歩きは今でも続けられている趣味のひとつです。そんな渡部さんも40代に入ってから体型維持に苦心し、今はランニングが欠かせないそうです。そして、走り出してからは大好きな食べ歩きのスタイルにもある変化が──。
早野忠昭（はやの ただあき）
1958年生まれ。長崎県出身。一般財団法人東京マラソン財団事業担当局長・東京マラソンレースディレクター、日本陸上競技連盟総務企画委員、国際陸上競技連盟ロードランニングコミッション委員、スポーツ庁スポーツ審議会健康スポーツ部会委員、内閣府保険医療政策市民会議委員。1976年インターハイ男子800m全国高校チャンピオン。筑波大学体育専門学群卒業後、高校教論、アシックスボウルダーマネージャー、ニシ・スポーツ常務取締役を歴任。
渡部 建（わたべ けん）
1972年、東京都生まれ。1993年に児嶋一哉とお笑いコンビ「アンジャッシュ」を結成し、現在は司会者やグルメリポーターとしても活躍する。夜景鑑賞士３級、日本さかな検定３級、高校野球検定、ダイエット検定、恋愛心理学など趣味や獲得資格が豊富で、とくに食べ歩きは30代から続けている大好きな趣味のひとつ。「最強の100皿」などグルメ本の発行をはじめ、グルメブログ「わたべ歩き」 も好評連載中。ランニングの方では、今年12月のホノルルマラソンで初マラソンデビューを果たす予定。
何でもポジティブに
変換できるようになった
筍掘りのロケが苦にならなくなった
- 早野 ■
- 走り始めてから、日常や仕事での変化を感じたりはしましたか？
- 渡部 ■
- 体力的に日々衰えを感じてきていたので、そういう部分は多少戻せたかなと思います。たとえば階段で息が切れたり、１日の長いロケで疲労困憊になったり。あとは考え方自体が変わった気がします。過去に筍掘りのロケをやったのですが、すごくしんどい収録でした。もう本当に途中で嫌になるほどハードでした。でも、ランニングを始めた身でそういうロケが次にあると聞けば、そうしたしんどいことすべてがプロセスになると考えられるんですよ。筍堀りのロケであれば、今まではしんどいとしか思わなかったけれど、これをやれば下半身が鍛えられるな、と。このビルにはエレベーターがないとなった時でも、階段を登りながら「これはランニングにつながるな」と思えるようになります。何かネガティブなことをポジティブに変換できるようになったことが、以前とは大きく違うなと感じる点ですね。
- 早野 ■
- 走ることが日常化し、何か目標を見つけられると、自分自身も日々の生活も変わるというか、輝いてくるように思えますよね。ちなみに、渡部さんは競技としてはハーフマラソンに出ただけですか？
- 渡部 ■
- そうですね。走り始めて１年後に、初ハーフマラソンに出ました。その時はすごい充実感があったのですが、２回目にチャレンジした時はタイムにアプローチして、その目標タイムを達成できませんでした。もう少しあれをやっておけばよかったなと反省したりして、気分があまり良くなかったですね。
- 早野 ■
- 結構、競技者マインドが強い方なのですね。
- 渡部 ■
- それはあるかもしれませんね。でも、初めて行った土地など、いろんなところを走りたいという気持ちも強いです。お決まりのコースというのが苦手で、知らない土地に行って、なんとなく地図上でこのへんを走ってみようかなと出かける時が一番楽しいと感じますね。
魅力的な「マラソン＋特別体験」
- 早野 ■
- フルマラソンはまだ未経験ですか？
- 渡部 ■
- はい。今年12月のホノルルマラソンで初めて体験してきます。それに向けて今は少しずつ準備していますが、順位やタイムの目標はとくに定めていません。出てみてどう感じるかは、正直まだ分かりませんね。
- 早野 ■
- 旅とマラソンを組み合わせるという視点で言えば、世界６大メジャーマラソンにチャレンジするのもいいかもしれませんね。東京、ボストン、ロンドン、シカゴ、ベルリン、ニューヨークで開催されているマラソン大会で、それをすべて完走するとSix Star Finisherと功績を称えられ、特別なメダルがもらえるんです。それを目指すのはいかがですか？
- 渡部 ■
- またそれは大それた目標ですね（笑）。そういうのがあるんですね。ほかにも、マラソン大会の情報を調べていたら、島根県には空港の滑走路を走れる大会があると知りました。普段は走れない、入れないところと聞くと魅力を感じますね。実際に行くと、たぶん目指す対象物がないし風の影響も受けやすいだろうからめちゃくちゃキツいんでしょうけど（笑）。でも、マラソンと同時にそういう体験をできるのは素直にいいなと思いますね。
- 早野 ■
- 高速道路を走れるというのもありますよね。
- 渡部 ■
- ありますね。アクアラインを走れるのもありましたよね。
- 早野 ■
- ２年に１回ですが、ありますね。来年の今頃、マラソンシーズン前の渡部さんは、どのフルマラソンにチャレンジしようか、ランニングライフをより楽しんでいるかもしれないですね。
- 渡部 ■
- それは否定できないですね。まずは今年12月のホノルルマラソンに出てみて、どう感じるか。今回こうしてお話をできて、より楽しみになってきましたよ。
