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早野忠昭 × 堀江貴文
早野忠昭

早野忠昭(はやの ただあき)

1958年生まれ。長崎県出身。一般財団法人東京マラソン財団事業担当局長・東京マラソンレースディレクター、日本陸上競技連盟総務企画委員、国際陸上競技連盟ロードランニングコミッション委員、スポーツ庁スポーツ審議会健康スポーツ部会委員、内閣府保険医療政策市民会議委員。1976年インターハイ男子800m全国高校チャンピオン。筑波大学体育専門学群卒業後、高校教論、アシックスボウルダーマネージャー、ニシ・スポーツ常務取締役を歴任。

堀江貴文

堀江貴文(ほりえ たかふみ)

1972年生まれ。福岡県出身。SNS media&consulting 株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュース、また予防医療普及協会としても活動するなど幅広く活躍。

ランニング×ビジネス、
答えは「中毒性」

ランニングビジネスの鍵は「スマホガチャ」にあり!?

早野 ■
今日この場には、JAAF RunLinkの賛助会員企業(※補足1)の方々がいらっしゃっています。賛助会員の皆さまは、RunLinkと共同で事業開発をしていくことでビジネスを創出することを目指されているのですが、堀江さんから何かヒントをいただけませんか?

(補足1)賛助会員:https://www.jaaf-runlink.jp/competition.html

堀江 ■
ヒントですか。そうですね…。パチンコって、お金がもらえるからやると思っていませんか?
早野 ■
そうではないのですか?
堀江 ■
みんなずっとそう思い込んでいたんですけど、実はそんなことないんですよね。それを証明したのがスマホガチャです。今、たくさんの人がスマホゲームにめちゃくちゃ課金をしているんですよ。でも、スマホゲームに幾ら課金をしても別にお金は返って来なくて、ゲーム内でのランキングが上がったりするだけなんです。だけど、課金をする人はとことん課金をしているんですよね。早野さんは「17 Live(イチナナ)」というサービスをご存知ですか?
早野 ■
いえ、知りません。
堀江 ■
今流行しているライブ配信アプリなんですが、アイドルのような子たちが動画を配信して、視聴者はそれに対して投げ銭(※補足2)をするというものです。動画配信する人のことをライバーと呼ぶのですが、中には月に数百万円〜数千万円も稼いでいるライバーもいるそうなんです。でも、視聴者が投げ銭をしても、見返りといったらライバーに「○○さん、ありがとうございます!」と言われるくらいなんです。つまり何が言いたいかというと、人って金銭的なリターンがなくてもお金を払うものなんですよ。パチンコもそうですが、おそらく、こうしたものに課金をする人たちは中毒になりやすかったり、依存体質なんです。だから、そこでスイッチを少し変えると、ランニングに対しても中毒的にのめり込むんじゃないかと感じています。例えば走れば走るほどレベルが上がるようなゲームをつくって、そこにスマホガチャの要素を盛り込むと、ひとつのビジネスになるんじゃないですかね。

(補足2)投げ銭:ストリートライブをするミュージシャンに小銭を投げ入れるように、ネット上でコンテンツを公開している人へ小額の支援をすることができる機能

早野 ■
たしかにスポーツは中毒性のようなものがありますからね。
堀江 ■
僕の知り合いの経営者で昔、体重が100kg以上あって「このままじゃ死ぬよ」と言われていた人がいます。そこで彼は、友人にマラソンに誘われて走るようになり、そこから一気にのめり込んで、今では「最も過酷なスポーツ」とも言われるアドベンチャーレースにハマっていて、自分でレースを主催するくらいになっています。彼はおそらく中毒性が高いタイプなんですよね。そういう人たちをターゲットにしてランニングを仕掛けていくと、依存体質をうまく刺激して、ランナーにしていくのもありだと思っています。

ランニングマーケットは今後急激に拡大していく

早野 ■
そろそろ終わりの時間が迫ってきました。では最後に、一言いただけますか。
堀江 ■
ランニングのマーケットは、これから確実に広がっていきます。AI・ロボット時代になると人間がやらなければならなかった仕事の時間が減り、自由な時間が増えます。余暇時間の活用、手段としてスポーツは重要な選択肢になるはずなんです。だから、これから大きなビジネスチャンスを迎えると思います。例えば、僕は15年ほど前から皇居ランをしていましたが、当時はまったく人がいませんでした。でも、今はたくさんの人が皇居ランをしていて、皇居の周辺にはランステーションなどもできて、ひとつのビジネスになっていますよね。ああいった形で、ランニングに関するマーケットはどんどんと拡大していくと思っています。

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