こちらではJAAF RunLinkのアドバイザーに就任された
茂木健一郎さんのコラムをご紹介します。
脳科学者、茂木さんの考える「ランニング」とは・・・

ランニングコラム01

ランニングは
三日坊主でよい。

茂木健一郎(脳科学者)

子どもの頃から走っているので、ランニングをすることは私にとっての生活の一部だ。

今でも、時間がある日は、基本的に一日10キロ走っている。
そのようにして、東京マラソンのような大会にも出場し、完走することができている。

ただ、不思議なことがある。
まわりでは、走っている人があまりいないのだ。

みな、体の健康のために走ることが良いのはわかっているらしい。
脳の働きを整える上でもランニングは有効だ。
実際、私自身は、ランニングは脳への栄養素の一つだと思っている。
周囲でも、みな、ランニングが脳に良いことはわかっているらしい。

それなのに、走らない。

なぜなのだろうと聞いてみると、「私には無理」と思っている人、
あるいは、逆に、完璧主義者すぎて、
三日坊主でやめるくらいならばランニングをしない方がましだと思っている人もいるらしい。

私は、三日坊主は大いに結構だと思っている。

三日坊主でやめてしまったら、罪悪感などにとらわれずに、また始めればいい。
一年に何十回も三日坊主を繰り返せば、それは立派な「ランナー」だ。

私自身、忙しくて走れなかった時期もあるけれども、いつでもまた三日坊主を立ち上げてきた。
三日坊主も、だるまさんのように何回も起き上がれば、それでよいのである。
三日坊主でやめても、また始めて、ランニングをしながら見る光景は新鮮で感動的だ。

むしろ、三日坊主だからこそ、ランニングをしながらの新しい発見があるほどなのである。

ランニングをしていると、美しい風景に出会うこともある。

ランニングをしていると、美しい風景に出会うこともある。
写真は、奈良県明日香村を走っていたときに出会った夕日。